青年と遊女 ~再会~
俺がそう呟くと彼女は何もなかったかのように店の後ろへと消えて行った。

それが合図とばかりに群がっていた男達も散っていく。

「あぁ~兄さん、遊ばれただけだったみたいだな。そんな落ち込むなよ。」

先ほどの男も俺の肩を叩きどこかへ去って行った。



なんであの子がこんな所に…

話をしたいが暗小屋に入るわけにもいかず、ずっとそんな事を考えて歩いていると、後ろから呼び止められた。

「そこのお方、お待ち下さい。」

「俺?」

「はい、あなた様にこちらを渡すようにと仰せつかって参りました。」

「これは…」

男が差し出されたのは、あの紅い扇子だった。

あの子からだ…



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