「僕は、死にたい」
 


一枚のメモ用紙だった。


何行かの、短いそのメッセージを、どんな思いで彼は書いたのだろう?



生きて、欲しかった。


生きていればいいこともある。


そう信じてわたしは生きて来た。


でも。


死ぬことを彼は選んだ。




彼は、生きることに絶望した訳じゃなかった。


悩んで悩みぬいて、ただ、死ぬことを選んだ。




「どうして?」


彼が亡くなって、もう半年が過ぎた。


わたしは今も、自分に問い掛ける。





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