とあるレンジャーの休日

 怪我は勲章なんかじゃなく、自分がマヌケであることを証明してるだけだと言いたかったが、さすがにそれは言葉が過ぎると考え、思いとどまる。

 その彼を見送ってから、廊下で待たせていた塚本を中に入れた。

「あ、塚本さんだ。こんにちは~」

 薫子がにこやかに彼を迎え、塚本の顔も嬉しそうに緩む。

「薫子ちゃん、今日もかわいいね。ほら紫乃ちゃん、やっぱり女性はこう笑顔でさ……」

「うるさい。無駄口叩くなら帰るか?」

 イラッときて睨みつけると、空気だけは正確に読む塚本は、即座に黙り込んだ。

 彼は紫乃が何か言う前に、診察用の丸椅子に座ってしまう。
 紫乃はため息を吐きながら、「で?」と口火を切った。
 塚本はやはり空気を読んで、端的に質問を繰り出す。

「彼は眠れてる?」

「一応、ね」

「もうあっちに戻して大丈夫そう?」

「んー、いや、それは……」

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