とあるレンジャーの休日

「俺は別れないからな。絶対離さない」

「は? まだ付き合ってもいないけど?」

「紫乃は俺のだ! 絶対ダメ!」

(俺のって……)

 抱きしめられている腕に、ますます力が入る。
 紫乃はさすがに苦しくなって、もがいた。

「ちょっと、息がっ」

「分かったって言うまで離さない」

 ふと周りを見ると、通路を行き交う人たちが横目に、もの珍しそうな視線をこちらに向けている。

 紫乃は、色々なものに追い詰められて、とうとう音を上げた。

「もうっ……分かった! 分かったから離して!」

 すると、歩はようやく腕の力を抜いて、紫乃の顔を覗き込んだ。

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