とあるレンジャーの休日

 遠慮がちに聞かれ、今度は紫乃が目を丸くする。

(そういえば)

 ――手伝いをしたらキス一回。
 まるで小学生がお小遣いをねだるみたいだけれど。

 紫乃はクスッと笑い、「いいよ」と呟いた。

 歩の顔がゆっくり近づいて、紫乃はそっと目をつむる。
 互いの唇が触れ合い、すぐに離れて、歩が囁いた。

「あと、二回だよ」

 吐息がかかるほど近くから、再び唇が触れる。
 歩の手が紫乃の頬に添えられ、彼の親指が唇の端を撫でた。
 その感触に促されて唇を開くと、歩は少しだけ深く口づけてきた。

「んっ……」

 鼻から抜けるような甘い声が無意識に漏れる。

 紫乃はそれが恥ずかしく、とっさに腕を突っぱろうとした。
 でも歩が紫乃の両手首を掴み、そのまま引き寄せられ、身体ごと抱え込まれてしまう。

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