とあるレンジャーの休日

「ただいま。ねぇ歩……少しだけ肩、貸してくれない?」

 そう言うと、歩は驚いた様子で目を丸くしたが、すぐにソファへ移動し、そこに座って隣をポンポンと叩いた。

「どうぞ。肩でも膝でも、いくらでも」

 紫乃はフフッと笑って、隣に腰かける。
 彼の肩に頭を乗せて目をつむると、疲れがフッと溶けていくような心地がした。

 少しだけ速くなった鼓動。
 ほんのりと上がる体温。
 くすぐったいような優しく甘い感触――紫乃は、好きな人に触れる時だけ感じられる、不思議な心地よさに浸った。

 歩を好きだと感じるたびに胸の奥をよぎる、別れの予感と喪失感に対する恐怖。
 でも今はそれらを忘れて、ただこの心地よさだけを感じ、癒されていたかった。

「紫乃」

「ん?」

「……ご褒美、もらっていい?」

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