とあるレンジャーの休日
紫乃が目に期待を滲ませると、歩は少し考えた後、「ほどほどにね」と答えを濁した。
歩を家に置いて、紫乃は診療所に向かう。
多少気にはなるが、彼にも早く慣れてもらうしかない。
夜の時間に合わせて、薫子が再び診療所に出勤してきた。
彼女は元々、紫乃が勤めていた大学病院にいた看護師で、紫乃が退職したのを機にそこを辞め、後を追いかけて来たのだ。
診療所の窓口の事務員は17時に帰る。
引継ぎがないかだけ確認したら、後はまた薫子と二人きりだ。
「宮園くん、どうですか~?」
「家に着いた途端、また爆睡してたよ」
薫子は納得したように頷いて、楽しげに呟く。
「世間は秋なのに、先生には春が来ましたねえ」
「ん? 彼は、ただの預かりものだよ」