とあるレンジャーの休日

「ぶっ倒れたりしねーし」

「黙れ、居候。問題がなきゃ、そもそも預けられたりしないでしょ」

 歩は反論できず、渋々黙り込んだ。
 宗春が怪訝な顔をして訊ねる。

「居候? まさかコイツ、紫乃ちゃん家にいるの?」

「今日からね。しばらくの間うちで預かることになって」

「なんで? 預かるって何?」

 なぜこんなに宗春がしつこく追及するのか分からない。
 だが紫乃は、彼が心配してくれているのだけは理解し、笑ってみせた。

「大丈夫だよ。塚本からの依頼だし。父さんも了承したんだから。ねえ?」

 紫乃が吾郎を見たら、吾郎はなぜか気まずそうに頭を掻きながら頷いた。

「本当に来るとは思わなかったけどな」

「へ? どういう意味?」

 紫乃の疑問には答えず、吾郎は手を叩くと、生徒たちの方に向き直って言った。

「よし! 練習再開するぞー」

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