ヘタレな貴方と強がりな私


お弁当を平らげ、片付ける
莉子はスマホ片手に食べているため
社食のシーフードパスタがまだ半分くらい残っている

時計を見ればまだ時間はある
どうしようかと
のんびりしていたら


相席、いい?と声をかけられた
相手を確認すれば
営業課長の白戸さんだ


げっ、とココロの中で毒を吐く
断ろうとした時には遅し
トレイをテーブルに置き
もう座っていた



「あら、白戸課長。今日は愛妻弁当じゃないんですか?」


スマホから視線を移した莉子は
白戸さんに話しかける
白戸さんは社内でも有名な愛妻家
毎日、お弁当を持参し
社内の体育祭の時には
必ず家族が応援に来ているという

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