ヘタレな貴方と強がりな私


「…おかあさんが、ないてた」


奈津が覚えていたのは
私が拓也に裏切られた時に泣いていた
あの頃の記憶だろう

奈津に見られないように
気をつけていたはずなのに
奈津に見られていたなんて…


奈津が話してくれた話
「おかあさんにひみつ」と言った
どうやら
奈津は奈津なりに私を思っての言葉


「うん、おかあさんには言わないよ。俺となっちゃんの秘密だね」



奈津は結局のところ
拓也の事を覚えていなかった
小鳥遊くんはそれ以上は聞かず
追加オーダーしたアイスを食べていた


『…もういいでしょ?』


拓也にそう告げたが
拓也から返事はなかった

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