ヘタレな貴方と強がりな私
少し期待はしたが
やはり朝の電車で小鳥遊くんと
会うことはなかった
そのかわり…なのか、
「あら、染川優奈さん、おはよう」
フルネームで声をかけられた
それだけで、イラっとしてしまう
わざと…だ
『東雲さん、おはようございます』
それだけ言って早歩きになる
諦めてくれたらいいものの
東雲紗枝は諦めてくれない
私と同じ速さで私の横を歩く
「ふふっ、私の事、嫌い?」
大っ嫌いです、と言いたくなる
だけど、そんな挑発に乗りたくない
何も答えずに歩いてると
横にいた東雲紗枝が視界から消えた
諦めたと思ったが、声が聞こえた
「奏くんに会いたいと伝えて」