ヘタレな貴方と強がりな私
生活


中途採用だとしても
何も知らず既婚者へ近づいた…なんて
誰にも知られたくなかった

後から思えば
白戸さんが初めて食事に誘ってくれたのも
二人っきりの時
あとはメールでのやり取りだったが
最低限のやり取りだった
無駄な…メールはなかった

白戸さんから指定されたお店へいくと
必ず個室か、半個室だった
隠れ家的な感じで
雰囲気があり“大人”だった

それは全て白戸さんの手口だったなんて…
こんなこと、誰にも言えない
もちろん、莉子にだって言えるわけない
墓場まで持っていくつもりだ


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