ヘタレな貴方と強がりな私
アパートを出る前に
奈津にはきちんと伝えといた
“無理に「おとうさん」て呼ばなくていいから。もし、奈津がもう会いたくないなら二度と会わない。でも、奈津がまた会いたいって思ったら、お母さんにちゃんと言ってね”
奈津はきちんと返事をしてくれた
我慢はして欲しくない
10分前に着いた私たち
5分も待たない間に拓也がやってきた
「遅くなってごめん」
遅刻したわけではない
ただ、何故か拓也の息は上がっていた
『大丈夫だよ。もしかして走ってきたの?』
なんでも、乗る予定だった電車が遅れたらしく
私たちより先に着いている予定だったそうだ
昔の拓也なら
そんなことはしなかっただろう