ヘタレな貴方と強がりな私


昔のことを思い出していたら
姉の手の動きが止まった
どうしたのかと思い
姉を見ると、私の方を見ていた


「優奈、ごめんなさい。私の我儘で優奈に嫌な思いをさせたわ。お母さんのことも、裕介のこともごめんなさい」


謝る姉の姿に胸が痛む
姉の言いたいことはわかる
二人のことを許してあげて、ということだ


『もう少し時間を頂戴…』


わかってる
姉のことも、母のことも…
だから時間が欲しい

母のことはまだ、だが
父の事は昔と変わらず大好きだ


『また、遊びに来るからさ』


そういうと
姉の顔はホッとしていた


台所で私達が話している間
父が小鳥遊くんに声を掛けていたなんて
その時は全く気がつかなかった

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