ヘタレな貴方と強がりな私


「奏くん、おはよう」


「おはよう」


そう返すが、誰だったかな?
見たことあるような、無いような…
正直、女の人の名前なんて覚えてられない

俺の周りにいる女は
都合いい時に俺に近寄ってきて
飽きたら、いなくなる


俺は利用されているだけ
それは昔からだ
あの時から女に対して信用もない


「ねぇ、今日、飲みに行かない?」


女は誘ってきた
今日は帰って寝たいな、と思っていたが
誘われた以上、断る理由もない


「いいよ、あとで連絡して」


ニコッと笑って言えば
女は頬を赤らめ嬉しそうにしている

女なんて、所詮…
そんな生き物だ

その女と途中まて店へ向かう
その間ずっと
彼女は俺の腕に絡みついたままだった

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