ヘタレな貴方と強がりな私


相手のことをよく知りもせず
身体だけ重ねることもある

それは向こうが求めればの話だ
俺から求めることはない
求めたって
誰も満たすことなんて出来ないし
誰も俺の事を受け止めてくれない



「今日は泊まっていく?」


俺の腕の中で
甘い声を出す女

この部屋に見覚えがあった
俺の好きじゃない匂いのお香を焚く女だ
前も泊まらないで帰った記憶があった


「いや、帰るよ」


そう言って女から腕を離し
シャツを着始めた


「また帰っちゃうの?」


「ごめんね。またね」


そう言って女の唇に自分の唇を重ねると
女の腕は俺の首に絡みついてきた

今日は本当に疲れたんだよ、と思いながらも
女の誘いにのってやった

< 391 / 397 >

この作品をシェア

pagetop