ヘタレな貴方と強がりな私


「また明日、」


そう言って帰っていった小鳥遊くん
閉じられたドアに鍵をかける
冷たいドアに手を置く


どういうつもりなんだろう
二度目のキス
放っておけないという言葉
自分の唇に指で触れると
小鳥遊くんの顔が浮かんだ

鼓動の音が煩くなる
が、それと同時に苦しくもなる



前にトイレで話していた
若い女の子たちの会話がよぎる


“彼女がいてもいなくても関係ない”
“タカナシくんって誰にでも優しいし、誰とでも寝るでしょ”


あれが私の知っている小鳥遊くんだとしたら
小鳥遊くんは当たり前のことをしているだけ
キスも、小鳥遊くんの中では当たり前…

そう考えたら
さらに胸が苦しくなってしまった

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