泣かないで、楓
僕らの背後から、ブルーシートの音がガサッ、と聞こえた。誰かが入ってきたらしい。
「チッ」
その小さな舌打ちから、入ってきたのが吉伸先輩だと分かった。楓は反射的に僕から遠ざかったみたいだ。対する僕は身体がフリーズしてしまい、身動きが取れなかった。
吉伸先輩は無言のまま、テントからすぐ出ていった。僕と楓は、いたたまれない空気に包まれた。
「ほら、お前がつまらないイタズラをするから、先輩怒っちゃったじゃないか」
「つまらないイタズラ、ねぇ」
「イタズラじゃないのかよ?」
楓はTシャツに着替えながら、ぶつぶつと文句を言い始めた。
「あの人が怒るのは、あの人の勝手やないの。ウチの知った事やないわ」
「そんな言い方って……」
「そもそもウチらが話をしてただけでも、先輩は気に食わんのちゃう?」
「えっ!?」
どうして? と言う疑問符がすぐ頭に浮かんだが、声に出さなかった。
「あの人、どうやって調べたんか、勝手にウチのLINEに、メッセージを送ってきたりしとんのよ。キモくない?」
「え?」
「ウチと付き合って欲しいんやて。そんな内容が書いてあったわ」
知らなかった。吉伸先輩は、楓の事が好きなんだ。
「チッ」
その小さな舌打ちから、入ってきたのが吉伸先輩だと分かった。楓は反射的に僕から遠ざかったみたいだ。対する僕は身体がフリーズしてしまい、身動きが取れなかった。
吉伸先輩は無言のまま、テントからすぐ出ていった。僕と楓は、いたたまれない空気に包まれた。
「ほら、お前がつまらないイタズラをするから、先輩怒っちゃったじゃないか」
「つまらないイタズラ、ねぇ」
「イタズラじゃないのかよ?」
楓はTシャツに着替えながら、ぶつぶつと文句を言い始めた。
「あの人が怒るのは、あの人の勝手やないの。ウチの知った事やないわ」
「そんな言い方って……」
「そもそもウチらが話をしてただけでも、先輩は気に食わんのちゃう?」
「えっ!?」
どうして? と言う疑問符がすぐ頭に浮かんだが、声に出さなかった。
「あの人、どうやって調べたんか、勝手にウチのLINEに、メッセージを送ってきたりしとんのよ。キモくない?」
「え?」
「ウチと付き合って欲しいんやて。そんな内容が書いてあったわ」
知らなかった。吉伸先輩は、楓の事が好きなんだ。