危険地帯
カフェでお昼ご飯を食べてから、黒龍のたまり場に戻った。
このまま逃げてしまおうか、とも思った。
けど、私には黒龍を敵に回す度胸はなかった。
「あ、おかえり~」
地下に続く階段を下りた私を、出迎えるように立っていたのは律。
律はいつもより機嫌が良さそうだった。
何かあったのかな……?
「ちゃんと戻ってきてくれるって、信じてたよ」
口元だけ笑っている律の表情に、心臓が大きく跳ねた。
はっ、と息を呑み込む。
……違う。
律は、「信じてた」んじゃない。「確信していた」んだ。
私が、ここに戻ってくることを。
もしも戻ってこなかったら、私を殺りに行っていたかもしれない。
悪い方向に考えれば考えるほど、吐き気がしてきた。