危険地帯
これは、バイクの音?
他にも、叫び声のようなものも聞こえてくる。
外で“何か”が起こっていることは、明白だった。
階段を上りきった先は、廃ビルの一階にあるホール。
階段の真正面に、この廃ビルの出入り口がある。
出入り口がついている壁はガラス張りで、外の景色がよく見えた。
外には、数え切れないくらいの不良がいた。
いかつい顔をした人ばかりで、私はたじろぐ。
後ろの方には多くのバイク。不良達の手には鉄パイプやナイフが。
この状況は、何……!?
「ははっ、あんな大勢で来やがったのか」
「俺達だけで殺るんだろ?」
「当たり前じゃ~ん」
驚いている私をよそに、三人はこの状況を最初から知っていたみたいに、そんな会話をする。
もしかして、律が言っていたことって、このことなの?