危険地帯
相良深月は、傷だらけの男を見てニヤリと笑った。
怒鳴るよりも責めるよりも、格段に恐怖心を与える笑み。
「死んでも、先代を帰らせろ。あわよくば、殺れ」
「は、はい……!」
傷だらけの男は震えながら頷くと、この場から去っていった。
きっと相良深月は、仲間なんて信じてない。
駒のように扱って、操っているだけ。
強さだけが絶対だと、思っているのかもしれない。
「説明はこんくらいか。あと聞きてぇことはあるか?」
「え、いや、ない、です」
「タメ口でいいってば~!あと、名前で呼んでね~」
猫平律の要望に、私はハードルの高さを感じた。
タメ口ですら難しいのに、名前呼び……!?
この人達を!?
……それは絶対無理!!!