危険地帯
黒龍では、総長のことを「リーダー」と呼んでるのかな?
「い、今、先代達が攻めてきて……それで……っ」
「で?」
「……え?」
息が乱れている中、必死に言葉を紡いで危険を知らせようとしてくれている傷だらけの男は、おそらく相良深月達に助けを求めに来たんだ。
「俺達じゃ敵わないから、手を貸してくれ」って。
でも、相良深月はその真意を知ってか知らずか、鋭く冷たい視線を傷だらけの男子に送った。
あの傷だらけの男は、相良深月をリーダーと呼ぶのだから、黒龍の一員なんじゃないの?
どうしてそんなに冷たく接するの?
「羽留、さっきの話の続きだ。よく聞け」
相良深月の声は、私ではなく傷だらけの男に圧力をかけた。
その迫力が私にまで伝わってきて、せっかく消えかけていた恐怖が、また姿を現す。
「黒龍の掟、それは――“敗者は捨てる”」
つまり、黒龍に負けは要らないということ。
助けを求めてくる者に、勝てないと思ってしまった者に、貸す手はないということ。
すごく黒龍らしい掟だ。