危険地帯





――しばらくして、また階段を下りてくる足音が聞こえてきた。


地下へやってきたのは、さっき助けを求めに来た傷だらけの男だった。



「お、どうだ?終わったか?」



傷だらけの男に気づいた相良深月は、声を低くして問いかける。


その声の奥では、総長の圧倒的な迫力と喧嘩を楽しんでいるような感情が隠れているようだった。



「は、はい!全員、一旦追い返しました」


「ははっ、そうか。よくやった」



不良って、こういう会話が日常茶飯事なの?


喧嘩が日課みたいなものなの?




「俺に殺られなくてよかったな」




も、もしかして……。


深月は、喧嘩に負けていたら、先代の人達と闘っていた黒龍の人達を全員、自分の手で殺そうとでも考えてたの?


総長なのに?この暴走族をまとめるリーダーなのに?



それなのに、黒龍のメンバーを自分で壊そうとしていたの?



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