ハジメマシテじゃ、ないんです

「唯、収穫はどうだった??」

「んー、手応えがあったのは10人くらいかな……。」



次の日、お昼ご飯を食べていると舞妃に昨日の勧誘について聞かれた。
舞妃のいる家庭科部なんてのは所謂、大御所部活。勧誘なんてしなくても、あちらから来てくれるのだ。
羨ましいことこの上ない。


「さてさて、そろそろ昼休みも終わるし閉めますか。」


私達はいつも生徒会室で昼食をとっている。別に役員は生徒会室で、なんて決まりはないけれど。
ただ、広報部は仕事が多く、その場に居ないと理不尽に書類が加算されたりした経験から自然とここで昼休みを過ごすようになった。


「あ、こんにちは!」

舞妃が鍵を返しに行ってる間。
職員室の外で待っていると、1年生の男の子に挨拶された。

知らない先輩にも挨拶するなんて、いい子かよ……と心の中で感動しながらも
こんにちは、と挨拶を返した。


「誰、今の子。」


「知らない。」

後輩くんの後ろ姿を見ながら舞妃に返す。

えーっ、知らない子から挨拶されるわけないでしょ。

でも知らない子なんだもん。
そんな事言われたって、私だってついさっき珍しい子だと感動してたんだから。

「にしても、あれはイケメンだったわ。」

「たしかに。」



どんなに不貞腐れようと、私だって所詮は女子。
さっきの後輩くん、イケメンだった。と、その後も会話は続いた。

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