ハジメマシテじゃ、ないんです


ーー5月。


暑い。暑すぎる。
初夏なんて嘘っぱちだ。

湿気は多いし、汗でベタつくし。

こんなに暑いのにどうして制服はまだ冬服なんだ。


「中間考査まで辛抱だな。」


今生徒会で茹だっているのは私と、同級生の広樹。
今年も扇風機の季節ですね。

生徒会なのに、生徒会室なのに、学校でこの場所にはエアコンがない。
なんどもお願いしましたとも。

なぜ、付けていただけないのでしょうか、先生。
私達、居残り残業なんのそので頑張ってるじゃあないですか。

こんな……、


「酷すぎるよ!!ね!?」

「唯うるせぇ。余計暑くなるだろ。」


あっ、はい。ごめんなさい。

「また茶番?相変わらずなことで。」

「あー、舞妃ーおつかれー。」

「なんとありがたみの無いおつかれだろう。」


はいはい、と言いながら舞妃は自分の仕事に取り掛かっていった。
私は今仕事持ってないから絶賛暇人なのである。

そんな事いうと、余分に割り振られるから絶対に言わないけど。


「そういや、そろそろ開選だな。」

「んー、早く新しい子欲しいー。」


開選、というのは新規生徒会会長、副会長の選挙開戦および新規役員募集開始のことだ。


まぁ、会長副会長なんて決まってるようなものだけど。
新規役員ばかりは当たり外れがあるのもまた事実。


お願いします、神様。
どうか、いい後輩を恵んで下さい!



「そんなのはお前の教育しだいだろ。」



……ごもっともです。
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