ハジメマシテじゃ、ないんです

いよいよ開選。
選挙管理委員会はいるものの、やはり私たち旧役員も待機しておくに越したことはない。と、いつもどおりの日々をおくっていた。

「んん、いい感じの子は来ないかね~。」

「来て欲しいけどね。でも、この一週間は私たちは口出しちゃダメだからさ。」


選挙期間の一週間、それぞれ立候補者たちは選挙活動を行えるが
役職についている者は過度な勧誘などしてはいけない決まりとなっている。

生徒会とは、あくまで自主性により成り立つべきものとされているから。


「すみません、あの立候補の用紙が欲しいんですけど。」

やってきたのは1年生です!というオーラが溢れ出す男の子だった。

「あ、どうぞー。そこにあるの持って行っていいですよー。」


今は昼休み。口にパンをほおばりながら申し訳ない。


舞妃からは、適当すぎる。と怒られたけれど
やる気が出ないのだから仕方ない。

「書き方、とかもしわからないことがあれば聞きに来てください。」


その男の子はありがとうございます、と一礼して去っていった。


なんか、1年生ってこんなにもフレッシュなのか……、と1つしか変わらない年の差があ若干恨めしくなった。
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