偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「私…この先ずっと片想いなんて辛すぎます!」


一方通行の恋。

私の想いはつのるばかりで、鉄砲玉のように行ったっきりで。
どんなに好きでも、相手から想いは返ってこなくて。

そんな毎日をこの先ずっと送れるほど、私は強くできてない。

きっと相手の心が欲しくなる。全てが欲しくなる。


「何を言ってるんだ? それじゃまるでお前が……」

「これが最後ですから。言いたいこと言ってスッキリさせてもらいますね!」


どうせ今日が最後だ。
こうして二人で会うのも、偽装結婚の話をするのも。

そう思ったら涙がじわじわと溢れてきた。


「最初は家族になってくれるならそれでいいって思いました。
一人ぼっちじゃなくて、誰かそばにいてくれるならそれでいいって。
けど、私はあなたとは偽装結婚じゃなくて、恋愛がしたいんだって気づいたんです。
やっぱり愛する人には…自分のことも愛してもらいたい」

「………」

「私、柳原さんのことが好きです!
だから、だから……私のことも好きでいてくれないと……
ちゃんと心から想いあう恋愛してくれなきゃ、一緒にはいられません!!」


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