偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

確かに『興味がない』という言葉は発した。
しかし合コンに興味がないのであって、女自体に興味がないわけじゃない。
なんという誤解をしてくれるんだ、この子は。


しかし待て。
ここはもう、とりあえずイエスだと言ってしまえばいいんじゃないか?

今後こうして合コンだの飲み会だのと誘われることも減るかもしれない。
彼女いないんですか?結婚しないんですか?と鬱陶しいことを訊かれることも減るかも。


「参ったな。バレた? みんなには内緒にしといて」


会社用の爽やかな笑顔を作る俺とは反対に、彼女はポカンと口を開ける。

誘われることに少々嫌気がさしていた俺は、あまり深く考えずに咄嗟に思いついた言葉を言ってしまっていた。

軽い気持ちだった。
あとでこのことが、尾ひれが付いてとんでもないことになるなんて、この時は想像すらできずに。



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