偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
歳が33だからダメだってことはない。
まだアラサーだし、その年齢で彼氏を見つけて結婚する人はたくさんいる。
チャンスだってまだまだいっぱいある。
だけど私には、行動するアクティブさがハンパなく欠けている。
待ってるだけで結婚のチャンスなんて来ない年齢だし、地味子だし…。
そこを見抜いての、彼の今の発言なんだろう。
それに彼だって。
ゲイだとわかっていて結婚してくれる女性なんて、普通に探したらいないに決まってる。
だから彼にとっては、これが最初で最後のチャンスなんだ。
「これ、渡しとくから」
今度は普通の真っ白な封筒をさっと目の前に突き出される。
なんだろう?と中身を確認すると、婚姻届が入っていた。
しかも柳原さんのところはびっしりと書き込み済みで、判もバッチリと押されている。
「お前のとこ、書いて渡してくれ」
「え、まだ返事してませんよ!」
「結婚する。それで決定だ」
なんだそれ。
私には考えたり悩んだりする時間も必要ないってこと?!