偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「ご両親が…柳原さんの結婚を願ってるんですか?」
「ああ。母親がな。見合い話ばかり持ってくる」
そうか。柳原さんはご両親にまだカミングアウトしていないんだ。
だからお母様が結婚のことを心配して…。
だけど無理だもんね。……男同士で結婚するのは。
ということは、私との結婚は
――― 偽装結婚?!
「だからって、いきなり結婚だなんて……」
「お前は家族を作れて孤独じゃなくなる。
俺はうるさい母親を安心させて開放される。いいだろ?」
「や、でも、」
「俺は35。お前は33だ。もう早々チャンスなんて来ないぞ?」
「………」
イタイところをついてきたな、柳原 響介め。