偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「否定しないってことは、肯定だと受け取りますよ?」
「え?」
「だから偽装約結婚だって話」
「………」
私が困った顔で口ごもると、それとは反対に兼古くんの口元が緩んだ。
「へー。マジでそうなんだ。
だったら俺、諦めなくていいんじゃないですか」
「諦めなくて…いいって?」
「柳原さんのことです。
柴本さんとの間には愛情なんてなくて、契約か何かで繋がってるんでしょ?
だったら俺が柳原さん諦める理由ないじゃないですか。
二人がこのまま結婚したとしても、別に俺と柳原さんが付き合ってもいいですよね?」
「えぇ?!」
いいのか?
よくないんじゃない?
だって一応、これも不倫になるんじゃないの?
相手が男性だとしても。