偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
いやでも。
もし結婚したら私と柳原さんは婚姻届を出しただけの、紙切れ1枚の間柄で。
兼古くんとは愛し合ってるわけだから…
どう考えても邪魔者は私なわけで。
そっか……私は邪魔者か。
ああ、もう!!
全っ然何がいいのかわかんなくなってきた!
「とりあえず今から柳原さん呼び出しましょう」
「へ?!」
「さっきの男のことも言っとかなきゃだし、今後の俺たちの関係性についても3人で話し合わなきゃ」
いやいや、待って!
と私が止める間もなく、兼古くんはショッピングモールの片隅へと移動し、スマホを耳に当てる。
「ここの5Fにカフェありますから、そこに呼びますね」
私のことなどお構いなしに、テキパキと勝手に段取りを決めてしまう兼古くんを見て呆気にとられてしまった。
何、このデキるサラリーマン風な感じは!
仕事が早すぎ!
ま、兼古くんはデキる子なんだけどね。