偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「あーあ。柳原さんがゲイじゃないってバレちゃった。
あ、ちなみに俺はゲイですよ? 男しか受け付けません」


どうやらこういうことらしい。
柳原さんはノーマルだけど、兼古くんはゲイ。

2人が付き合ってないってことは……兼古くんの片想いだったのかな。


「すいません。柴本さんが勘違いしてるって途中でわかったんですけどね。
面白そうだから柳原さんがノーマルだってことしばらく言わないでおこうかなと思って」


か、兼古っ!!!
いい子だって思ったの、迷わず撤回!!!!


「というわけなんで、俺帰りますね」


私がムッとした顔を向けると、兼古くんがすーっと席を立った。

なーにが、今後の俺たちの関係性についても3人で話し合わなきゃ、よ。
二人は付き合ってなかったんだから、これまでも今からもただの同僚で、今後も何もないじゃないの!


「あ、そうそう。
柴本さん、迷ってるって言ってたけど、答え出てるじゃないですか」


去り際に何か思い出したように、兼古くんが柔和に微笑んで私にそう言った。

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