偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「答え、出てます。
俺がさっきプロポーズしたとき、それはありえないって思ったでしょ?」

「………」

「そういうことですよ。柳原さんならありえなくない。それが答え」


先ほどの突然の結婚しましょう発言は、私に何かを気づかせるためのものだったのかな。
だからあんなとんでもない冗談を言って、私の反応を見てた?


「それと。柳原さん側の結婚のメリット、柴本さんハズしてましたね。
ちなみに俺はとっくにわかってますけど。わからないなら正解はご本人に直接訊いてください。じゃ、俺はこれで」


にっこりとした笑みを残し、颯爽と去っていく兼古くんの後姿を見て、先ほどの会話を思い出していた。

柳原さん側の偽装結婚のメリット
私はずっと、彼がゲイを隠すためだと思ってた。
だけどそれが違うとなると……


柳原さんが私と結婚したいメリットって何?
兼古くんはわかってるの?

ますます私にはわからないよ。



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