願いが叶ったその時…




     ~1週間前~



美「百~合~!おっはよ!」


「うわっ」


朝から元気に飛びついてきたのは親友の美紀(ミノリ)だった。
私が、この学校で唯一心を許せる友達


美「今日も呼ばれてるの?」


「あぁ、うん…なんかあったっぽくてね」



私は全国No.1暴走族『桜華』の姫になった。
なったというより、無理矢理なってしまったと言う方が正しい。


この前には新しく姫になった子もいて
今は2人だけど、私は関わりたくない…
もう姫ができたならやめさせてほしい…



それに、私はあの子のことが苦手だ…
関わりたくのないタイプの人間



美「何かあったらすぐに相談してよね?
  私が必ず、あんたのこと助けるから」


「美紀に無理はしてほしくないな…」


美「あ…今日、さ…放課後とか時間ある?
  あいつらから呼ばれてるのって昼でしょ?」



いきなり真剣になった美紀…
きっと大事な話なんだろう




 


「わかった」



美紀の事について考えながら教室に入ると
いつもとは違う視線を感じた。
今までは羨ましいということでなのか
私には媚びを売ってくる奴らもいたが
こんな視線をあびたのは初めてだ。



美「何、こいつら」

「(さぁ)」



私は学校で話せないことになっているため
小声で美紀にしか聞こえないように
答えるといきなり後ろの扉が開いた。


そこに立っていたのは『桜華』の幹部である槙君だった。
何故か不機嫌になっているように見える。
これはよくある『あれ』か?



美「百合、行っちゃ駄目」


心配してくれている美紀の手を離し
私は槙君の後ろを歩く



歩いているだけで伝わってくる槙君の殺気…
いったい私が何をしたって言うんだ




 



 
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