願いが叶ったその時…





それから一年がたち
俺も高校に進学した日のこと、
1人の女に話しかけられ
最初は無視していた。

気持ちが悪くて近づくなと言っても
何度も話しかけてきて
めんどくさくなり何も言い返さなくなった。

冷たくしても何度も何度も
俺のところにきては話しかけ
嫌な顔なんてしなかった。

少しでも信じられるのならと思って
俺はその女と付き合った。
だけど、そんなのは最初だけだった。

彼女とはその日、別々に帰る約束をしていたが
忘れ物に気づいた俺は教室に戻ったとき
その友だちとの会話を聞いてしまった


女『ちょっと優しくしたくらいで告ってくれる
  なんて楽勝だよねぇ…弱い男ってさ』


訳が分からなくなった
どうして、俺は簡単に信じてしまったのか
なんでもう少し考えなかったのか
自分の事を憎く思った。

その日にホテルに帰ると
母がホテルで待っていた。

『仕事も始めて最初からやり直そう』

そう言ってきた母の言葉を
信じられる隙が俺にはなかった。
俺はもう限界で母を、その場で殴ってしまった


次の日のニュースで
母が1人、自殺をしたと知らされ
俺の中の何かが壊れた。

何もかもがどうでもよくなった俺は
その日から学校にも行かずに
暴れ始めた。
喧嘩はやられたらやり返すの繰り返し
それが俺の日常になっていた。

朝も夜も関係なくそんな事ばかり
していたからか
俺はその場で倒れて、餓死する寸前に
若に拾って貰った。

そのときの若の目が忘れられなくて
一生ついて行こうと思った
あの人の邪魔になる物はどんなものでも
俺が壊すと…決めた




 
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