願いが叶ったその時…






?『約束だ…必ず、俺はお前を迎えにくる
  その時、俺がどんな奴になっていても
  受け入れてくれるか?』



『うん!!』



あぁ、夏風と約束したのは
そういうことか…
私が極道の若頭だと知ったら怖がると
思ったのかな?

 
夢の中で私は、夏風と笑いながら
たくさん遊んでいた。
恥ずかしいことにお風呂まで一緒に入って
一緒に眠って…


だけど、場面はいきなりかわり
リビングでは夏風と父がなにかを話しており
私はそれをこっそりと覗いていた。



棗『夏風、君の思いはわかってる…
  だけど、桜はもういないんだ』


夏『知ってます…だがらこそ守らせてください
  桜さんと棗さんの娘である百合を…』




夏風は、私が2人の娘だから
心配してくれてたの?
でも、そうだよね…
そうじゃなきゃ、あんな偶然みたいな出会い
するわけないんだもんね…


私が生きているから
夏風は誰とも結ばれない
今の私は夏風にとって邪魔でしかない…





     ──────────







「ん──」



駄目だ…もう帰れない
夏風のところにはいられない




         ガチャンッ




?「お前、」




目を開けた私の目の前にいたのは
『桜花』の幹部だった。




「士、苑(シオン)」



なんでこんな所に『桜花』の幹部なんか…
そんなこと考えてる暇じゃない
どうにかしてここから逃げないと
また、私は…



士「待って!」



逃げようとした私の手を掴んだ士苑を
私は振り払った。
壁隅に身を寄せた私を士苑は
戸惑いながらも顔をゆがませていた。



士「ごめん…無神経だったね…」



こいつは、本当に士苑?
私の知っている士苑はこんな人じゃない
皆に可愛がられたくていつもテンションが
高い幹部の中で可愛いキャラなのに…



士「俺、ずっと、後悔してて…
  ごめん百合…知ってたんだ、
  やめさせなきゃってずっと思ってた…
  だけど、『桜花』がずっとやってきた事に
  口なんか出せば、俺は大切な物を失う…
  それがたとえ総長であっても」




涙を流し始めた士苑は
少し離れたところで膝をつき
私に頭を下げてきた。





 
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