忘れたはずの恋
「今日はお忙しい中、僕の為にお集まり頂き、ありがとうございました」
土曜日 19時。
冒頭に藤野君の挨拶があった。
こんな人数の前でも落ち着いた様子で彼は淡々と述べる。
「来週木曜から走行が始まります。
現地で観戦して頂ける方は是非とも、ピット裏にもお越しください。
また来られない方も宜しければテレビ等で応援して頂けたら幸いです」
まだ18歳の彼。
こんなにしっかりしているんだって感心してしまった。
ボンヤリと藤野君を見つめていると
「…ひょっとしてもっと年下が好きなんですか?」
などと言ってくる近藤さん。
「…感心していたんです。
しっかりと言葉を伝えるんだなって」
その後、局長が乾杯の音頭を取る。
皆が楽しく話に花を咲かせているのを私は少し離れて見ていた。
これだけの人数が集まる事はまず、ない。
この会を設けた局長や管理者の力も大きいのだろうけど、それよりも藤野君の人柄の良さもあるんだろうな。
「吉永さん」
隣に座っている近藤さんが私の名前を呼ぶ。
…このまま静かに放置してくれたら良いのに。
「この後、また飲み直しません?」
私は目を半開きにして彼を見つめた。
「まだこの会、始まったところなのに?」
「だってこんなに上の人がいっぱいだったら砕けられません」
…何言ってるの?
若いんだから無礼講で。
「…考えとく」
私の中ではほぼお断りだった。
ただでさえ、バイクというわからない世界の話。
確かにウチの会社ではバイクは使うけれど。
レースとかは遠い、世界の話。
来週になればそこに行って観るという、何だかとんでもない話になっていて気が重い。
早くこの場も終わって帰りたかった。
土曜日 19時。
冒頭に藤野君の挨拶があった。
こんな人数の前でも落ち着いた様子で彼は淡々と述べる。
「来週木曜から走行が始まります。
現地で観戦して頂ける方は是非とも、ピット裏にもお越しください。
また来られない方も宜しければテレビ等で応援して頂けたら幸いです」
まだ18歳の彼。
こんなにしっかりしているんだって感心してしまった。
ボンヤリと藤野君を見つめていると
「…ひょっとしてもっと年下が好きなんですか?」
などと言ってくる近藤さん。
「…感心していたんです。
しっかりと言葉を伝えるんだなって」
その後、局長が乾杯の音頭を取る。
皆が楽しく話に花を咲かせているのを私は少し離れて見ていた。
これだけの人数が集まる事はまず、ない。
この会を設けた局長や管理者の力も大きいのだろうけど、それよりも藤野君の人柄の良さもあるんだろうな。
「吉永さん」
隣に座っている近藤さんが私の名前を呼ぶ。
…このまま静かに放置してくれたら良いのに。
「この後、また飲み直しません?」
私は目を半開きにして彼を見つめた。
「まだこの会、始まったところなのに?」
「だってこんなに上の人がいっぱいだったら砕けられません」
…何言ってるの?
若いんだから無礼講で。
「…考えとく」
私の中ではほぼお断りだった。
ただでさえ、バイクというわからない世界の話。
確かにウチの会社ではバイクは使うけれど。
レースとかは遠い、世界の話。
来週になればそこに行って観るという、何だかとんでもない話になっていて気が重い。
早くこの場も終わって帰りたかった。