忘れたはずの恋
「吉永さ〜ん」
その時、私の向かいに来てくれたのは総務の大東さんだった。
「どうですか?集配は」
にこやかに問い掛ける大東さん。
ありがとう〜!
隣の近藤さんが少しだけ、引いた気がした。
ヨシヨシ。
あまり押され気味にされると胸が苦しくなる。
「色々と専門用語が沢山で大変…」
思わずため息をつく。
定時で帰る事なんてまず、ない。
「でも、やりがいはあるよ」
そう言うと安心した顔をした大東さん。
「良かったー!」
と笑ってくれた。
「ところで近藤さん」
いきなり名前を呼ばれた近藤さんは体を一瞬、ビクッとさせた。
「近藤さんはもう、仕事に慣れました?」
「ええっ、まあ…」
チラッとこちらに助けを求めるような近藤さんの視線をわざと無視して私は席を立った。
そっか…。
大東さん、近藤さんを狙っているのね。
お手洗いに向かう通路で思わずクスッと笑ってしまった。
年齢は…大東さんの方が1歳年下だし。
ちょうど良いかも。
「どうかされました?」
気が付けば目の前に長い足が見えて顔を上げる。
「あ…」
上品に微笑む藤野君がそこに立っていた。
「…楽しい事でもあったのかなって」
その目…人の弱味を握ったかのような目をしてるよ?
「うん、少しだけ」
そう言って、私はまた吹き出してしまった。
「少し、っていう笑いじゃないですよ」
藤野君も私を見て笑った。
「…でも、良かった」
何が?って聞こうとしたら藤野君の口が動いた。
「ずっと吉永さん、つまらなさそうな顔をされていたんです。
…ひょっとして、無理にここへ連れて来られたんじゃないかと思って」
きっと私。
今、真顔になっていると思う。
「…やっぱり?」
12歳も年下の彼に、見抜かれている。
私は慌てて首を横に振って、
「き…昨日、遅くまで起きていて眠気が。
変な気を使わせてごめんなさい」
「そんな眠い状態なのに来てくださってありがとうございます」
藤野君は私に向かって頭を下げてくれた。
…ちょっと。
一瞬、キュンってなったんだけど、胸が。
その時、私の向かいに来てくれたのは総務の大東さんだった。
「どうですか?集配は」
にこやかに問い掛ける大東さん。
ありがとう〜!
隣の近藤さんが少しだけ、引いた気がした。
ヨシヨシ。
あまり押され気味にされると胸が苦しくなる。
「色々と専門用語が沢山で大変…」
思わずため息をつく。
定時で帰る事なんてまず、ない。
「でも、やりがいはあるよ」
そう言うと安心した顔をした大東さん。
「良かったー!」
と笑ってくれた。
「ところで近藤さん」
いきなり名前を呼ばれた近藤さんは体を一瞬、ビクッとさせた。
「近藤さんはもう、仕事に慣れました?」
「ええっ、まあ…」
チラッとこちらに助けを求めるような近藤さんの視線をわざと無視して私は席を立った。
そっか…。
大東さん、近藤さんを狙っているのね。
お手洗いに向かう通路で思わずクスッと笑ってしまった。
年齢は…大東さんの方が1歳年下だし。
ちょうど良いかも。
「どうかされました?」
気が付けば目の前に長い足が見えて顔を上げる。
「あ…」
上品に微笑む藤野君がそこに立っていた。
「…楽しい事でもあったのかなって」
その目…人の弱味を握ったかのような目をしてるよ?
「うん、少しだけ」
そう言って、私はまた吹き出してしまった。
「少し、っていう笑いじゃないですよ」
藤野君も私を見て笑った。
「…でも、良かった」
何が?って聞こうとしたら藤野君の口が動いた。
「ずっと吉永さん、つまらなさそうな顔をされていたんです。
…ひょっとして、無理にここへ連れて来られたんじゃないかと思って」
きっと私。
今、真顔になっていると思う。
「…やっぱり?」
12歳も年下の彼に、見抜かれている。
私は慌てて首を横に振って、
「き…昨日、遅くまで起きていて眠気が。
変な気を使わせてごめんなさい」
「そんな眠い状態なのに来てくださってありがとうございます」
藤野君は私に向かって頭を下げてくれた。
…ちょっと。
一瞬、キュンってなったんだけど、胸が。