柊くんは私のことが好きらしい

「はー……夢じゃないよな」

「……夢だったら困る」

「そりゃそうだ」


ふはっと笑みをこぼした柊くんは力をゆるめる。


「離れたくないなー」

「……」

「ちょ、ははっ! なんだよーっ」


また額をぐりぐりこすりつけると、抱きしめられた。

離れたくないなんて同じだけど、それを含めた行動だったから、お互い自然と背を起こした。


今さら照れくさくなるなんて、変なの。


「笑わないで聞いてほしいんだけどさ」

「うん」

「プールに落ちる前からさっきまで、俺ずっとひまりが好きだって言いたかった」


叫んでもいいくらい、と。柊くんはくしゃりとした笑顔を見せる。


「でも我慢した。なんでだろ。他の奴に聞かれたくなかったのかもしれないし、ひまりからを期待したのかも」

「……うん」

「諦めなくて、よかった」

「待たせてごめんね」


ああ、そうじゃないか。


「待っててくれて、ありがとう」


目が合うことは幾度もあったけど、見つめ合うのは二度目の告白をされた日以来な気がする。


やっぱり、かっこいいなあ……。
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