柊くんは私のことが好きらしい

「……マジで?」


緊張の糸が切れそうな私は涙を堪えるのに必死で。


「え、俺、もっかい……告ろうとしてて」


独り言のように現状を整理する柊くんを、見ていることしかできなかった。


そのうち柊くんは机から降り、廊下の方を見遣ると「あー」と何かを耐えきれないように唸って、がしがしと頭を掻く。と。


「逃げるのなしね」


私を思いっきり抱き締めにきた。


ぎゅーって。あんまり強いから、苦しいって言いそうになったけれど、離してほしくないから黙っていた。


「ひまりも」

「……え?」


私も? 私も、って……。

頬が熱くなる。察しがいいのって、いいことなのか悪いことなのかってくらい。


「だって俺まだ、信じられないもん」


そんなバカな。


もう1回告白しようとしてたってことは、期待してたからじゃないの? なんて。私もここではじめて柊くんに告白されてからしばらくは、信じられなかった。


嘘でしょう? 夢でしょう?って。


だけど柊くんは保留にされても、ずっと私を見ていてくれた。私だけを想っていてくれたから。


今度は私の番、だね。


受け入れるだけだった力を押し返すように、柊くんを抱きしめ返す。潰れちゃわないかなって心配するほど、力いっぱい。


「ちょ、苦し……くすぐったい!」


ぐりぐりと柊くんの首筋に額をこすりつけても、満足できないこの気持ち。どうしよう。好き。大好き。
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