柊くんは私のことが好きらしい

三姉妹の頂点に君臨する4つ上のお姉ちゃんはすっごく綺麗でかしこくて強くて、この姉その2みたいに茶々を入れてくるような人じゃないはずなのに。


ふぅちゃんに『ひまり彼氏できたの?』なんて話題を出すあたり、野次馬根性は持ち合わせていたらしい。


いやでも、さすがに両親にまでバレてるとは考えにくい。その辺の気遣いはできるお姉ちゃんだ。姉その2と違って。


ただ単に、末の妹はどんな人と付き合ってるのかって心配してくれたんだ。付き合ってないって言ってるのに根掘り葉掘り聞き出そうとする次女とは雲泥の差。


「ね、今度うちに連れてきてよ」

「……機会があればね」

「そのときは紹介してよ!? 見た過ぎるーって、ちょっとひまり!」


これ以上詮索されるのはご免だと背を向けても、引き留められる。


「もー。何? 私そろそろ出なきゃ、」

「メイクそれで終わりなの……?」


きた。絶対いつかのタイミングで言われると思った。


「告白されたのに? しかも同じクラスなのに? 冗談でしょ!?」

「冗談って……高1なんてこんなもんでしょっ」

「おしゃれに年齢なんて関係ない! ひまりならもっとかわいくなるのに!」


眉を整え、ブラウンの細いアイラインくらいでメイクを終える私に、ふぅちゃんはああしろこうしろと言ってくる。
< 34 / 200 >

この作品をシェア

pagetop