柊くんは私のことが好きらしい
「ねーねー。どんな子? 同い年? バイト先の人とか?」
「……同じクラスの人」
「あーやっぱそうだよねー。写メは? ないの?」
あってもにやにやしてる姉には見せません。
「ねー。あるでしょぉー? ひまりなら絶対持ってる! 何年お姉ちゃんやってると思ってるの!」
「写真嫌いな人だから1枚もない」
「なんでサラッと嘘つくの!? ひどい! ひまりあたしに冷たい!」
泣いてやるんだから!と言わんばかりの潤んだ瞳を見せつけ、伏せたふぅちゃんのそれは浅ましいんだか、したたかなんだか。私に効くと思ってるなら大間違いだ。何年妹やってると思ってるの。
黙々と編み込みをしてサイドに集めた髪を、手首に付けていた小花柄のシュシュで結う。
「あたしだってひまりの彼氏見たい! のけ者にしないで!」
「だから彼氏じゃ……、待って……ふぅちゃん、私が電話してるのを盗み聞きしてたから疑ってたんでしょ?」
「人聞き悪いな! まあ電話増えたなーとは思ってたけどぉー。ひまり彼氏できたの?って先に言い出したの、おねえちゃんだからね」
「…………」
「一緒にいるとこ見掛けたんだってさー。駅まで送ってくれるなんて、いい子じゃーん。家に上がってもらえばよかったのにぃ」
にやにや、にやにや。表情が腹立たしいのはこの際置いといて、ふぅちゃんがお姉ちゃんと呼ぶ人は当然わが家の長女しかいない。