恋愛セラピー
カモミールの微睡み
「皐月、大丈夫? 」
「大丈夫じゃない。動けないんですけど……」
彼の逞しい腕に頭を預けて、ぐったりとする私を抱きしめて、顔のあちこちにキスをしながら理人くんは幸せそうに微笑む。
「夕方、出勤する頃には大丈夫になってると思うよ。ちゃんと加減したし」
あ、あれで? なんだか理人くんの本気がどれほどなのか想像もできなくて、これからが心配になってしまう。
「はあ、めちゃくちゃ幸せ。皐月、無防備すぎるからさ。理香のサロンで会った時も、バスタオルはだけて胸見えちゃうし。俺がどれだけ悶々としてたか。でも、想像してたよりずっとかわいかったな」
そ、想像って。どんな想像をされていたんだろう。それより、あの時やっぱり見えてたんだ。今さらだけど、恥ずかしいな。
真っ赤になる私を見て、理人くんは眉間にシワを寄せて、なぜか私の腰を掴む。
「うひゃっ! ちょ、お肉摘ままないでよ」
「摘まむ肉なんてないし。やっぱり細すぎだな。たった三週間で、すっかり元に戻ってるよね。明日、ご飯用意しておくから食べてから仕事に行ってね」
不満そうに唇を尖らせながらそう言われて、私は驚いて目を丸くする。