恋愛セラピー
「え、いいよ。悪いもん。ちゃんと食べるから、大丈夫だよ」
理人くんだって仕事があるのに、そんなことまでしてもらうのは申し訳なさすぎる。
「せっかく俺好みの身体に育ててたのに、たった三週間で元に戻しちゃう人にそんなこと言われても説得力がないな」
それを言われると……痛いな。ていうか育ててたの? まあ、元に戻してしまったのは事実だからなにも言い返せなってしまう。でも、食欲がなかったのは理人くんのことで悩んでいたからなんだけどな。
まあ、全部私の勝手な勘違いだったけど。本当にどっちが年上かわかんないわ。気づくの遅すぎるけど、やっぱり年齢ではないんだよね、こういうのは。
「……理人くん好みになれるなら、うれしいけど。無理してもらいたくない」
私は、今までの恋愛で背伸びして無理をしてばかりだったから、理人くんにはそんな想いをさせたくなたい。
そんな想いを込めてじっと顔を見上げていると、眉を下げて笑った理人くんが私の頭を撫でてくれる。
「無理してないから。俺ね、皐月にしてあげられることならなんでもしてあげたいんだ。他の誰にも譲りたくない。例えそれが、理香でも嫌だ」
え、理香にもって……どういう意味?