恋愛セラピー
ローズウッドの戸惑い、イランイランの誘い

そして、理人くんとのリハビリを兼ねたお礼デートの日は、思っていた以上に早く訪れた。


忙しいだろう理人くんと、私の休みがたまたま重なったらしい。お誘いのメールが届いたのは、再会から一週間後のことだった。


断る理由もないからOKして、絶対スカートで着て、なんてお願いされてしまったから、春らしいかわいい花柄のワンピースを新調してしまった。


そのワンピースを着て、待ち合わせの場所に向かうけど、ちょっと年甲斐もなくかわいすぎたかもしれない。


店員さんに褒められてついついその気になってしまったけど、大丈夫だろうかと今さらながら、心配になってくる。


待ち合わせに指定された駅で理人くんを待つ。いったい、ここからどこに行くんだろう。この近くにデートスポットなんてあったかな。


指定された駅の改札口を出て、理人くんに着いたことを連絡しようと携帯を出して操作していると、急に視界が暗くなって画面が見やすくなった。


不思議に思って顔をあげると、間近に理人くんの整った顔があってビクッとする。


「び、びっくりした。もう、声かけてよ」


びっくりして携帯落としそうになったし。バッグに携帯をしまいながら理人くんを睨むと、理人くんが苦笑いを浮かべて私の背中に手をあてる。


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