甘いりんごに恋をした
日常
「りーんごっ!」


「依吹先輩、今日も授業さぼりですか?」


「林檎に会いたかったんだもーん」


「でも、ここ保健室ですよ。よく見つけましたね。」


私は保健室通いがしょっちゅうだ。
この生活にはもう慣れた。


でも、ひとりだから寂しかったんだ。


依吹先輩がくるまでは。


「林檎の匂いをたどってきたのさ」



「それはすごいですね
そろそろ授業でたらどうですか?」



「えーやだ。林檎といたい」



「もうまたそうやって」



この時間が毎日の楽しみになってた。



「楽しいでしょ?俺がいると」



「退屈はしないですね」



「もっと優しく言ってえええ」



「他になんと言えと、」



「うん、先輩好きだから楽しいキャピキャピみたいな」



「らしくないですね」



「俺もちょっと思ったから言わないで」



ほんとに退屈しない。

むしろ先輩が学校をずる休みする日が嫌いだ。

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