現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
……どうしてこうなった。

私の目の前には、ビールとお通しが置いてある。
で、その先には岡田さんが座ってニコニコとしていた。

車を二十分分ほど走らせて着いたのは、住宅街の中心にある小さな居酒屋だ。


岡田さんはこの居酒屋の近くに住んでいて、マンションの駐車場に車を置くと、この居酒屋まで歩いた。

その際、十階建てのマンションの五階の角部屋に住んでいると、聞いてもいないのに部屋を指してまで教えてくれた。

外見も真新しくセキュリティーも万全。
家賃もさぞかし高いんだろう。
やはり大手で働く人は、生活水準が全く違う。

木造うん十年ものの、ボロアパートに住む私とはえらい違いだ。


それから居酒屋に着くまで私は腕を掴まれていた。
もう逃げませんから、と言ったのだが、信用ないらしい。

その掴まれた腕は居酒屋の中に入ってから、ようやく解放された。


居酒屋に着くと、岡田さんは常連なのか片手を上げ親しげに挨拶をする。
店主はまじまじと私を見つめた後、ニヤリと笑みを浮かべ個室へと通された。


どうやら、なにか勘違いをしている。
違うんだ!私はこの人とはなにも関係はないんだ!


そう店主に言いたかったが、引きずられるようにして個室へと連れて行かれてしまった。


「じゃ、まず乾杯ね」

部屋に入って間もなく、ビールのジョッキが自分の前に鎮座する。
岡田さんはジョッキを持ち、私の前に出してきたので、仕方なくそれに合わせる。

キン、とガラスの当たる音が響き、それぞれ口に運んだ。


やはり仕事後の一杯は最高である。


しかもいつもは飲むことがない、生ビール。
いつもは第三のビールを買っていたから、久々の生ビールに感動すら覚える。


のどごし最高、スッキリ爽快。
ああ非熱処理最高です!


そのまま私は口からジョッキを離さずに、一気に飲み干した。


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