現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
結局、岡田さんも忙しいのか、電話が来たのは元旦の昼だった。

『明けましておめでとう、里緒奈。今年もよろしくね。今まで連絡出来なくてゴメンな、毎日兄貴の子供の相手したり、親戚の酒の相手したりで暇がなくて』

「あけましておめでとう。なかなかに忙しい正月休みなんだね。休めるときゆっくり休んでよ」

『これならまだ仕事してる方が楽かも。……里緒奈にも会えないし』

「新年早々からこっぱずかしいことを、全く……」

『なんてな。俺は明日マンションに帰るよ。里緒奈はギリギリまでいるのかな?気を付けて帰ってきなよ。工場には5日に行くから、そのときにでもまた』

「うん。和宏くんも気をつけて帰ってね。……じゃあ」

岡田さんの声はいつも通りだった。
そのことにホッとする。

新年早々から帰る前みたいに微妙な空気になるのも嫌だったので、当たり障りのない言葉で返し、電話は終わった。

本当はもう少しだけ話していたかったけど、どうせ仕事が始まったら、またいつものように会えるわけだし。

もう少し時が経てば、真実を話してくれるかもしれないし。


別に答えを焦る必要なんて、ないよね……。




――なんて、その時の私はのんびりと考えていたんだけど。



年明け早々、まさかあんなことになるなんて、全く予想出来なかった。
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