正しい男の選び方
「ピンクを選ぶなんてやっぱり女の子だなー」
浩平が目を細める。
「何、ロリコン? ホント、女なら誰でもいいの?」
浩平は無言で笑った。笑顔の目元が優しい。
葉子はまたドキリとした。こんな風に嫌味をいったことをすぐに後悔した。
次々と何人かの人がお皿を下げに来たり、何かつまみに来たりするので、浩平と葉子は何となくタイミングが掴めず、そのまま皿を受け取って片付けている。
政好もお皿とグラスを持ってやってきた。
「七面鳥なんて食べたの初めてです。結構美味しいですね」
にこやかに浩平に話しかけたので、葉子もホッとした。
「思ったより美味しかったので、一安心。なんせ、初めて作ったから」
浩平も片付けの手を休める事なく愛想良く答えている。
「この皿、しまってきてくれる?」
浩平は政好と話しながら、葉子にお皿を渡した。
「うん、わかった」
葉子は頼まれたお皿を食器棚にしまう。
ついでにサービングスプーンをしまって、デザート用のフォークも用意した。
「一応、アメリカ式にしようと思って、パンプキンパイとアップルパイも用意したんですけど、食べます?」
浩平は、政好に聞いていた。